こんにちは。今回は、映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』をご紹介します。
2021年公開の映画の中では、ベスト1.2を争うすばらしい映画で、配信で3回も観返してしまいました!
親友が性的暴行の被害に遭ったことでその後の人生そのものが変えられてしまった女性の復讐劇です。でもただの復讐劇ではない。見終えて余韻が残る傑作となっています。
作品概要
93回アカデミー賞(R)脚本賞受賞!(作品賞含む5部門ノミネート)
『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、2020年にアメリカで製作されたスリラー映画です。監督はエメラルド・フェネル。彼女の長編映画監督デビュー作となります。主演はキャリー・マリガン、彼女はこの作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。また、本作はアカデミー賞脚本賞を受賞しました。
キャスト
- キャシー: キャリー・マリガン
- ライアン・クーパー: ボー・バーナム
- マディソン・マクフィー: アリソン・ブリー
- スタンリー・トーマス: クランシー・ブラウン
- スーザン・トーマス: ジェニファー・クーリッジ
- エリザベス・ウォーカー: コニー・ブリットン
あらすじ
キャシーは、ある事件で医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。
ある日、大学時代のクラスメートで小児科医となったライアンがカフェを訪れる。
この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻すことになる……。
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実際にみた感想
2021年公開の映画の中では、ベスト1.2を争うすばらしい映画でした。
冒頭、酔いつぶれたキャリーに覆いかぶさる男に対して
『何してんのかって聞いてんだよ。』と言い放つシーンからすでに・・・最高です!
この映画は、性的暴行やパワーハラスメントなどの社会問題をポップで少し可愛らしく、ブラックユーモアも交えて描かれています。
ポップなスタイリングで軽い印象を持たせつつ、ほんわか恋愛モードの雰囲気も味わわせてくれるが、油断していると核心をえぐってくる!
鋭角に。鋭すぎる一撃。
自分の身にふりかからない限り、どんなに残酷な事実も他人事という人間の心理を鮮やかに描きだしていきます。
現実に存在する被害者や加害者や傍観者や加担者の心理や行動を鋭く分析し、そのゆがんだ構造や矛盾や不条理を暴いています。
過去にあった性被害。具体的な映像表現はないのに、その時に起きた事がいかに残酷な事だったかが想像できる。この演出が素晴らしい。
全てを語らない演出は、観客に考える余白を残してくれます。
そしてキャリー・マリガンの演技は本当に素晴らしい!
キャシーの様々な感情や表情を見事に表現しています。
復讐のために男たちを罠にはめるときは冷静で計算高く、ライアンと恋に落ちるときは甘くて幸せそう。
親友のニーナを思い出すときは切なくて苦しそうに、そして最後の決断をするときは勇敢で決然としています。
彼女の演技に引き込まれます。
まとめ
『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、復讐劇として楽しめる作品ですが、それだけではありません。
この映画は、私たちが生きる社会の闇や問題に目を向けさせてくれる作品。
そして、それをポップな音楽やビビッドな色彩やブラックなユーモアで包んでくれるからこそ、より強く心に響くのだと思います。
いかれた女の復讐劇にとどまらない。余韻を残して考えさせられる映画です。
服、インテリア、カラーリングがめちゃくちゃカワイイ!
パステルピンク・ブルーが基調のキャリーが働いているカフェや、昼間のキャシーが着ているワンピースや髪型が超キュート!
そして、夜、バーで男をひっかけるキャリーの厚化粧感のあるキツイメイクのギャップ。
カラーやメイクでキャリーの心情を表していますね。この映画はすばらしいスタイリングでも楽しめます。
どう?このラストで真実から目を逸らす事ができる?
そう問われているような衝撃のラスト。そしてあざ笑うようなポップな顔文字が秀逸。
強烈な皮肉で核心をついてきます。
見終えた後は妙にすがすがしい。
そしてもう一度観たくなる、そんなおすすめ映画です。
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