先日近くの図書館から貸出予約していた本が入荷したと連絡を受けた。
こだまさんの『夫のちんぽが入らない』だ。
いつもはだらだらと読むことが多い私が、久々に2日という短期間に本を読み上げ、読んだ後に号泣してしまった。
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『夫のちんぽが入らない』は、2017年1月の発売当初から大変話題になっており、気になっていた。
今でも人気は衰えず、図書館での予約も数か月の待ち状態。
随分時間がたったころに連絡がきたので、予約していたことをすっかり忘れていた。
私がこの本に興味が沸いたのは、まずタイトルだ。
『夫のちんぽが入らない』とは随分攻めてるなと思った。ちょっとアレだよね。
口に出すことが恥ずかしいよね。
友人『最近何の本読んでるの?』
私『夫のちんぽが入らない、だよ。』
言えない言えない。
このタイトルだけで卑猥な雰囲気を醸し出し、読むものの興味関心を引く。
だが、それだけではなく、少し滑稽でもあり、ユーモアのセンスを感じるところが気に入った。
表紙は飾り気がなくシンプルで簡素。
この組み合わせが卑猥さを感じさせない絶妙なバランスを保たせている。
上記と、『発売後すぐに増刷した』という理由で、この本に興味を持ち読むことにした。
最近活字を読むスピードも遅くなり、文体が合わない時は何週間もかけてだらだらと読むこともある。
が、この本はほぼ一気読みしてしまい、2日で完読した。
そして読み終えた後は号泣していた。
ここで内容に関して詳しくは書かないが、この話はセックスがテーマの話ではない。
著者のこだまさんが歩んでこられた、決して平たんではなかった人生を物語ったエッセイだ。
『夫のちんぽが入らない』体になってしまった経緯や幼少体験。
『夫のちんぽが入らない』という事象が人生に与える影響。
『夫のちんぽが入らない』夫婦の生き方
がここには赤裸々につづられている。
中にはショッキングな内容や表現も含まれている。
著者の体験と自分の体験では直接重なる部分はないのに、行き場のない感情には共感でき、涙が溢れた。
本のテーマはシリアスで重いのだが、タイトルが表すように『少し滑稽でもあり、ユーモアのセンスを感じる』部分があり、読み手を適度にリラックスさせてくれる。
100%の純度で真実のみを話し、自分を包み隠さず表現し、堂々と人生を生きている人にはもしかしたらピンとこない内容かもしれない。
でも、生きるためには大なり小なり自分を欺き、だまし、言い訳を考え、
本来の自分とは異なる生き方をしている人も少なからずいると思う。
人生に躓いたことがある人
自分を偽ったことがある人
諦めたことがある人
傷ついたことを傷ついたといえなかった人
そんな人には、心に響くものが何かしらあるのではないだろうか。
私はこの本を読み、実は心の奥底で感じていた想いや自分でも気づかないうちに押し込んでいたものを代弁してもらったような、
そんな気持ちになった。
読後流れる涙とともに、何故だか癒された気がした。
そんな不思議な本でした。
元は同人誌で発表されたとは思えない、しっかりした文章力があり、読みやすかったです。読書慣れされてる方だと2~3時間で読めるのではないでしょうか。
『夫のちんぽが入らない』女性にも、『夫のちんぽが入る』女性にも、もちろん男性にも、是非読んでみてほしい本です。
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